滝澤武人[著]好きやねん、イエス!のレビュー
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滝澤武人[著]好きやねん、イエス!
「ほんまかいな!?」
これが、冗談抜きに、帯に踊る3つの黄色い文字を見た時の私の反応だった(自分は関西人ではなく江戸っ子だけど)。
本書でも取り上げられているが、「コテコテ大阪弁聖書」という本がある。その語り口はバーのママさんが人生にくたびれた客に話しかけているかのようで、思わず吹き出してしまった。本書もその類の本だろうと想像していたのだが、意外なことに(失礼)、中身はかなりマジメだった。
一貫してスポットライトが当てられているのは「人間としてのイエス」に重きを置いているマルコの福音書、延いてはそれを基にする「イエス主義」である(このあたりはトルストイの思想に近い感じ)。とはいえマジメ一辺倒ではなく、期待通り面白いところも色々あった。例えば「主の祈り」は要するに「お父ちゃん!パンをくれ!借金をチャラに!悪人から守ってくれ!」(214頁)ということだ、など(笑)。
イエス・キリストの人間的魅力がクリスチャンだけでなく、クリスチャンではない人たちにももっと知られるようになりますように。アーメン。
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