日本基督教団 戸山教会主任牧師、
青山学院大学名誉教授
西谷幸介[著]「日本教」 の弱点― 無責任性とと日本人
新書判・264 頁・本体1500 円+ 税
ISBN978-4-911054-25-3 C0216
幼児的依存を純粋に体現できる者こそ
日本社会で頂点に立つ。
最高権力者は言わば赤ん坊として全体を統治する。赤子たるものにどうして過重な責務を負わせたり、責任を問うたりできようか……。
上から下までこの構造にまるごと収まっている「日本教」の弱さを正面から見すえ、私たちのとるべき生き方を指し示す慧眼の書。
主な目次
はじめに ―『 神道信条』五カ条
第一章 無責任性 ― 日本社会が抱える重大問題
第二章 〈記紀〉の国家論的解釈 ―「 日本システム」の真相
第三章 『日本書紀』の述作過程に関する新しい歴史学的論証
第四章 「母子の情愛」の結実としての「日本システム」
第五章 落語『百年目』 ― 日本教の美点
第六章 歌舞伎『三人吉三』 ― 親分に上納される子分の百両
第七章 戯曲『父帰る』 ― 親子関係の逆転
第八章 君と臣の責任と無責任
第九章 なぜ日本人は戦争責任を
追及しないのか?
おわりに
あとがき
書評再録
著者略歴:
西谷幸介(にしたに・こうすけ)
1950 年、佐賀県生。1980 年、東京神学大学大学院博士課程修了。1986 〜88 年、スイス・バーゼル大学神学部留学(97 年、Dr. theol. 取得)。東北学院大学文学部教授、青山学院大学 専門職大学院国際マネジメント研究科教授、同大学院宗教主任を経て、現在、日本基督教団 戸山教会主任牧師、青山学院大学名誉教授。
著書:『ニーバーとロマドカの歴史神学 ― その社会倫理的意義』(ヨルダン社、1996)、Niebuhr, Hromadka, Troeltsch, and Barth: The Significance of Theology of History for Christian Social Ethics (New York: Peter Lang Publishing, 1999)、『十字架の七つの言葉』(初版;ヨルダン社、1999、改訂新版;ヨベル、2015)、『宗教間対話と原理主義の克服』(新教出版社、2004)、Understanding Japaneseness:A Fresh Look at Nipponjinron through “Maternal-filial Affection” (Hamilton Books,2017)、『教育的伝道 ― 日本のキリスト教学校の使命』(2018)『母子の情愛 ―「 日本教」の極点』(2020)、改題改訂増補新版『「日本教の極点」― 母子の情愛と日本人』(以上ヨベル、2023)他。
訳書:W・パネンベルク『現代キリスト教の霊性』(教文館、1987)、W・グロール『トレルチとバルト』(教文館、1991)、J・M・ロッホマン『駆けよってくださる神』(新教出版社、2000)、R・R・ニーバー『復活と歴史的理性』(新教出版社、2009)、A・リチャードソン『仕事と人間』(新教出版社、2012)他。